食道再生上皮シートEPITHELIAL CELL SHEET FOR ESOPHAGEAL REGENERATION

食道上皮にできた癌を除去した後に起きる炎症反応と食道狭窄を抑制、防止することを目的としました再生医療医薬品パイプラインです。東京女子医科大学において実施された臨床研究では、食道上皮の再建、炎症反応の抑制、食道狭窄の防止などに良好な効果が見られています。

食道狭窄 : 食道の一部が狭くなった状態。食物を飲み込むときの障害や嘔吐(おうと)などの症状がある。癌(がん)、潰瘍(かいよう)の瘢痕(はんこん)などによって起こる。

製品コンセプトと特長

近年ITナイフという優れた電気メスが考案され、消化器の癌治療法にESD(内視鏡的粘膜下層剥離術、お腹を切らずに内視鏡を使って癌を摘出する手術法)が使われ始めております。このESDでは、手術後の患者の負担が軽く済み、回復が早く、1週間程度の入院で済みます。特に食道癌の治療におきましては、従来の方法では胸と腹部を切る場合もあるため、治療がESD適応症例のとき患者さんの負担は大幅に軽減されます。しかしながら、食道癌をESDの手法で除去した場合、患部にしばしば炎症反応と食道狭窄が起こります。仮に食道狭窄が生じてしまったときはバルーン拡張器等で狭窄部を無理やり広げる治療がなされますが、強い痛みや再狭窄などの予後のQOL(Quality of Life)が低くなってしまうという難点があります。東京女子医大では、口腔粘膜上皮細胞を原料として温度応答性細胞培養器材を用いて作製した細胞シート(食道再生上皮シート)を食道癌除去後の患部に移植して、早期に炎症反応を抑制しつつかつ食道狭窄も防止する治療を始めており、食道上皮再建に良好な成績を収めております。